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2006年12月22日 (金)

ペコン

たまに、

凹んだりすることもある。

 

 

いや、

よくある。

 

 

いやいや、

軽く凹むことは無数にあるけど、

ぼっこり凹むことがたまにある。

そりゃもう、ぼっこり。

 

 

 

「そんな時は、

バレリーナが踊っているところを想像するの。私。」

と言うマダム。樋浦さん。

 

 

彼女は私が10代の頃に、丸の内の喫茶店でバイトをしていた時の、

パートで来ていたとっても上品な、60歳くらいの女性だった。

 

 

樋浦さんは、細身で、明るい色のショートカット。

いつもきちんと(派手目とも言う)青いアイシャドーに、

赤い口紅をひいていた。

社交ダンスを習っていて、シャンとした背中。

そして着ている服も華やかな感じだったな。

 

樋浦さんは、

60歳くらいだから、

そりゃあ、人生の大先輩ね。

教わることも多かった。

 

 

多かったけど、仕事で頼れるかっていうと、

 

 

 

 

そうでもなかった。

 

 

 

樋浦さんは、キッチンの中のお仕事。

私達バイトは、ホールでお仕事。

 

 

丸の内のお昼時は、

とにかくごった返しの大忙し。

 

 

私達バイトがホールでてんてこ舞いの間にも、

レジは行列に。

 

 

 

あーああ~~。

レジレジ。

レジに人が~~~ι(◎д◎υ)ノ

 

 

 

そこへ、さっそうと樋浦さんがレジに!!。

 

 

うわ~、樋浦さんありがとう!!。

助かりますm(_ _)m!!。

 

 

 

 

 

 

 

ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。

  

 

 

あれ?。

ちょっと。

ちょっと。

 

 

 

ぴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。

 

 

 

樋浦さん・・・?。

 

 

 

 

 

トレンチをホッポリ投げ、

レジにダッシュ。

 

 

 

 

「なんか、壊れちゃったみたい。」

 

 

 

 

いやいやいやいやいや。

壊れてはいませんよ。

押し間違えただけですよ。

 

ピコ。

ガシャン。

 

 

「あ、樋浦さん、ホールはいいですよ。

ありがとうございます(^_^;)。」

 

 

 

そう、

樋浦さんは、

レジの使い方を知らなかったのだ。

知らないのに、混んでるときは、

さっそうとレジに飛んできて、

適当なボタンを押しては、ピーピー言わせるのだ。

 

 

毎回毎回、

懲りもせずにピーピーと。

 

 

 

 

今日のランチも大忙し。

樋浦さんの手も借りたい程だ。

 

 

親切な樋浦さんは、

やっぱりこんな時には、さっそうと助けに来てくれる。

例え、羽交い締めにしようと。

 

 

ありがとう。

樋浦さん。

ふふ。

樋浦さんは、レジの開け方を憶えたのだ。

レジの開け方を覚えた樋浦さんは、

間違いなく戦力だ。

 

 

 

 

 

 

あれ。

ピーピー鳴っている訳じゃないのに、

レジが長蛇の列に・・・。

レジにダッシュ。

 

 

 

「どうしたの?樋浦さん。」

  

 

スーツの青年は困り顔。

なんだなんだ?。

 

 

 

 

うわ!!。

樋浦さん!!。

 

 

 

 

領収書の金額の欄に、

 

『アイスカフェオレ2』

 

って書いてある。

それはそれは、でかい字で。

 

 

 

 

さすがだよ。

樋浦さん。 

・・・でもね、経理の人は、

どちらかというと、金額が知りたいんであって、

何を飲んだか知りたい訳じゃないんだよ。

 

 

 

 

ドンマイ。

樋浦さん。

 

 

 

私は樋浦さんが大好きだったので、

よくお話をした。

 

 

  

「落ち込んだときはね、

バレリーナが踊っているところを想像するの。私。」

 

 

 

 

樋浦さん、

どうしているかしら( ̄‐ ̄)。

 

 

 

 

何となく樋浦さんを思い出した。

私も、樋浦さんの真似をして、

想像してみようかな。

バレリーナ。

 

 

 

しまった。

忘れてたけど、私、

バレエのことで凹んでたんだった。

傷口に塩をすり込んじまった。

  

 

 

私の凹みなんて、

こんな程度だ。

 

 

 

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コメント

素敵です。樋浦さん。

僕の職場にも愛すべき定年前の先輩がいます。

ずーーーーーーっと一日中、たぶん駅から持ってきた旅行パンフレットを見ながら
『世界一周するんだ。俺は。』って
ずーーーーーーっと椅子から動かない大先輩。

樋浦さんは『あっ・・・いいんですよ』って感じがチャーミングです。
大先輩は『あの・・・ミンナ働いてますよ~』って感じなんですけど、可愛いおじいちゃんです。

投稿: 泡波 | 2006年12月24日 (日) 23時54分

ひ、樋浦さん!!懐かしいなぁ~。
今でも目をつぶれば思い出せるよ。
青いシャドーに老眼鏡(目がでかく見えるやつ)。
赤茶の髪の毛で颯爽とロングスカートを翻し
いつの間にかレジにスタンバイ。
無敵(×)→ステキ(○)だったね・・・樋浦さん。

そうだ、あおしま!落ち込んだ時は樋浦さんの
「アイスカフェオレ2」を思い出せばいいじゃん!
どんな悩みもちっぽけに思えてくるよ、きっと♪

投稿: 姉。 | 2006年12月25日 (月) 12時04分

>泡波さん。

基本的に、ゆっくりとした空気が流れている人っていいですよね(^-^)。
伝染しますからね。

投稿: りん>泡波さん | 2006年12月25日 (月) 23時03分

>姉。

そう。
お姉ちゃんは、共に『樋浦さん』を語れる唯一の人だったね。
いまだに会話に出てくるんだから、伝説の人だよね。
あんな人になりたいもんだよ(≧ω≦)。

投稿: りん>姉。 | 2006年12月25日 (月) 23時58分

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