« 『サイト』2 ロビンちゃんになりたい | トップページ | 『サイト』4 先輩 »

2009年2月26日 (木)

『サイト』3 あの子の母親


私が思うに、

ひきこもりっこのママってね、

凄く弱い人だったと思うのね。

 

 

ダメっていうかなんていうか・・・

愛情を伝えることが下手っていうか・・・

母の前に女であって、

子供で、

あ~なんか、

母になり切れていないっていうか・・・

見守っていたんじゃなくて、

『サイト』の中でいろいろなことを感じて、

成長していった一人な気がするの。

 

 

心を閉ざしていく娘との戦いは、

私が思うよりずっと壮絶で醜く、

出口なんか見えない戦いだったと思うんだ。

   

 

偽りの中で、

娘と触れ合えた気がして、

生きていてくれさえすれば、

このままでいいと思ってしまう。

だって、

サイトの中では、

仲良しになれたんだから・・・。

 

 

外に出れば、

娘は世の中のいろんなものにまた立ち向かう。

二人の間にも

また戦いが始まるかもしれない。

だから、

恐かったと思う。

 

 

だけど、

娘からもらった小さな愛で、

ママも勇気を持ったんじゃないかしら。 

 

 

随分と久しぶりに会った娘は、

少し大人びたように見える。

愛しさに手を伸ばしても、

それまでの関係はそれを簡単に許してはくれず、

(無理もないわね)

それでも伝えたかったと思うの。

重ねた手に、

「私はそばに居る。」

って。

 

 

その手を振りほどかれても、

それでも抱きしめる覚悟で、

待ち合わせ場所に約束の物を渡しに行ったんじゃないかしら。

 

もしかしたら、

その日、

娘はお買い物したプレゼントを、

ママに渡せなかったかもしれないんじゃないかって。

 

 

だけど、

今の二人なら、

そうだな・・・

半年後、

キッチンに立つママの後ろを、

あの子は、

「おはよう。」

って、冷蔵庫から牛乳を出して、

二人はぎこちなく同じテーブルで、

朝食を食べているんじゃないかしら。

きっと。

そうそう、

写真撮ってないけど、

早替えで、

出番前に髪を整えながら鏡をのぞくと、

鏡の中には、

母にそっくりな私がいて、

毎回ギョッとした。

 

|

« 『サイト』2 ロビンちゃんになりたい | トップページ | 『サイト』4 先輩 »

コメント

まったく。
公演が終わってからも泣かせるなよ、ほんとに。
 
この作品に出てくれてありがとうございます。また再演して下さい。

投稿: くろはた | 2009年2月26日 (木) 02時33分

一々うなずきながら読んでしまいました。
朝から胸と涙腺にきました;;

「ハッピーエンド」に簡単になっちゃう話ではどう考えてないな~と観終わった後感じていました。
母と娘を始め、「サイト」に集まってきた誰もが・・・
おそらく誰もが何も問題が無ければ、あの「サイト」に来てはいなかったのでしょうから。
それは、あの「サイト」を観ていた僕たちすべてに当てはまることで、だからこそ感動もし、いろいろ今も考えさせられるのだと思います。
うん。本当に素晴らしい作品でした!
またぜひ再再演を期待しています!!
ありがとうございました(^_-)-☆

投稿: テムキ | 2009年2月26日 (木) 10時20分

読みながら又泣いちゃったcrying
これでもマレさん母だから
うわっwobbly 言っちゃったshock
深く、深く掘り下げて見えて居ない背景まで考えての役作り
凄いsign03 偉いsign03 カッコイイsign03
憧れちゃうheart02
これからも輝き続けておくれshineshine


投稿: マレ | 2009年2月26日 (木) 20時10分

引きこもりに関してはしてる子供もそれに手を出せない親についても反対です。色々な問題があるのは分ります。でも子供の将来を考えたら時には鬼になって立ち向かえると思います。自分には子供もいないし独身だから大きな事は言えませんけど…自分の子供の頃は自分の部屋もないしましてや鍵付きの部屋なんてあり得ないし、引きこもったとしてもご飯なんか食べさせて貰えなかったと思います。この作品を観て色々考えさせられます。現代の良い事悪い事を。それを皆で思ってる事を伝えられるこのブログはまさにサイトそのままの世界ですよね。それも本当に凄い!だからこそ皆凜さんのブログを楽しんでると思います。

投稿: Mです。 | 2009年2月26日 (木) 23時40分

>くろはたさん

すみません。
舞台は形に残らないから、少しだけ私の手元にも残しておきたくて…。
最近、恒例なもので(^_^;)。

こちらこそありがとうございましたm(__)m。
また再演できるといいですねv(^-^)v

投稿: りん>くろはたさん | 2009年2月28日 (土) 22時55分

>テムキさん

あ~…
まさに、私、テムキさんと同じことを感じて作品に関わりました。
あ~本当に、そう思います。

再演したいです(-_-)。

投稿: りん>テムキさん | 2009年3月 1日 (日) 04時28分

>マレさん

偉くない、偉くない。
お芝居って、台本に書いてあるシーンだけやろうとすると、凄く難しいものなんです。
それまでのこと、これからのこと、を作った方が楽しくお芝居できるんですよ。
あ、私は。です。
人によりますね(^-^)

投稿: りん>マレさん | 2009年3月 1日 (日) 04時34分

>Mさん

そうですね。
私の知らないケースなんかもたくさんあると思いますが、私も基本的に、『ひきこもり』は最大の甘えだと思います。
ひきこもれたらどんなにいいだろう…って時、人間にはありますよね。
だけど、心を鬼にしても、生きることを拒否されてしまったら、自分が親だったらどうするだろうと考えると、思考回路が止まってしまいます。
ただ、ひきこもる方にも、その周りにも、よっぽどなことだったはずで、だから私も、母親にも原因が見え隠れするラストシーンにしたかった。
あのシーンは通過点で、少し先のハッピーエンドにしたかった。

凄く凄く難しい、現代の問題ですね。

投稿: りん>Mさん | 2009年3月 1日 (日) 05時05分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 『サイト』2 ロビンちゃんになりたい | トップページ | 『サイト』4 先輩 »